略式易双六【りゃくしきようすこう】のルール (Create: 2024-02-29, Time-stamp: <2024-02-29T19:06:32Z>) これまでの「易双六(ようすこう)」(「元祖易双六」と呼ぶ)はどうも難し過ぎ るのではないかと思い致り、そのルールをかなり簡単にした「略式易双六」を 考案した。なお、元祖は以下から辿れる。 * 《易双六 - JRF の私見:雑記》 http://jrf.cocolog-nifty.com/column/2011/11/post.html ** 概要 このゲームは、タロットカードを使ったソリティアの一種ということになるだ ろう。 タロットカードの大アルカナ 22 枚(-2枚)をシャッフルして6 枚を引き、それ を並べて盤面とし、プレイヤーのトークンを置く。シャッフルした小アルカナ 56 枚(+大アルカナ一枚)を一枚づつ引いてそれ従ってトークンを移動させる。 ゲーム終了時のトークンの位置で勝敗が決まるゲームである。 引いたスートとトークン位置により移動方向が決まり、大アルカナに割り当て られた数表があり、それとにらめっこしながら計算(足し算)して、移動の成否 を決める。タロットカードと数表さえ手元にあればすぐにできるようになるだ ろう。タロットカードをこれ専用にするなら、数表を大アルカナに書き込んで も良いかもしれない。数表も、元祖易双六と比べ使う数値は大幅に少ないが、 共通なので、元祖易双六の数表を書き込むのが吉である。 大アルカナで盤を作るまでは元祖易双六と同じである。小アルカナを引いて動 かすときのルールが簡略化される。 ** プレイ 0. 準備するもの - この説明書(慣れれば数表だけで良い。)、 - タロットカード(ライダー版準拠。逆位置あり。カードを重ねたとき番号 が見やすいもの。)、 - トークン(プレイヤーを表すゲームの駒、なんでもよい。)、 - ソロバンなど (暗算できる方は必要ない。)、 - カードをスプレッドするためのクロスをしいたテーブルなど。 タロットカードは別にライダー版準拠でなくてもよい。その場合、大アルカナ の数値の割り当ては、そのカードのアルカナに近いものを選ぶなどするのがよ い。例えば、ライダー版では (8) が力で (11) が正義だが、それが逆になっ ている場合は、カードの番号ではなくアルカナに関して数表から読む。上下対 称で逆位置がない場合は、カードに印を付け正位置をわかるようにすればよい。 カードの番号が読みにくければカードの端に番号を書けばよい。柔軟に。 1. 大アルカナで盤面を作る。 大アルカナと小アルカナを分け、それぞれを裏向きに山(talon)にしておく。 まず、大アルカナから (0)愚者 と (13)死神 を抜く。 次に、残り 20 枚の大アルカナをまぜ、6 枚を順に引き下のように並べる。
     []6     []4
         []5

         []2
  []3           []1
並べたあとタロットの歴史を記念し、(8)力 と (11)正義 の位置を入れ換える。 どちらも山にあれば何もしなくて良いが、一方が山で、一方が場にあれば、山 のものを正逆位置は変わらないよう場にとり出し、場のものを山に戻す。どち らも場にある場合は、変わる先の正逆位置に従って置き換える。 大アルカナの山はこの先使わない。 易に倣い、1,2,3,4,5,6 をそれぞれ初爻、二爻、三爻、四爻、五爻、上爻とも 呼ぶ。また、1,2,3 をまとめて、下卦(または内卦)または下流と呼び、4,5,6 をまとめて上卦(または外卦)または上流と呼ぶ。 2. トークンを自由に置く。 トークンを自分の好きなように爻に置く。どの爻を開始位置とするか易の解釈 などから選んでも良いし、ランダムに置いても良い。 置いた爻が上卦(4,5,6)の場合 (0)愚者 を、置いた爻が下卦(1,2,3)の場合 (13)死神を、小アルカナの山にまぜ、シャッフルする。 残りの(13)死者か(0)愚者は、終了条件がわかりやすいように左に置く。 この後、小アルカナを一枚づつ引いてプレイしていくが、先にまぜた大アルカ ナのカードが出てきたときが、ゲーム終了となる。 ただし、ゲームが短いと感じるなら、ゲームの前にあらかじめ、回数(3回ぐら い?)を決めておき、大アルカナのカードが出てくるごとに捨て札をまぜてシャッ フルし、その回数だけ繰り返したあと終了としてもよい。 ゲーム終了時に、最初置いた爻が上卦(終了する大アルカナが(0)愚者)のときは、 トークンが 5, 6 にあれば勝ちとなる。最初置いた爻が下卦(終了する大アルカ ナが(13)死神)のときは、トークンが 2, 5 にあれば勝ちとなる。 3. プレイの場 プレイ中、カードの配置は次のようにする。
        [[]]Sw
     []6     []4
         []5
[]X                [[]]D
         []2
  []3            []1
        [[]]Co
                     [[]]T
- X は終了条件を表す (0)愚者 か (13)死神 のカード。 - Sw は元祖で使う上卦全体に関して貯まるソードのカード群。略式では使 わない。 - Co は元祖で下卦全体に関して貯まるコインのカード群。略式では使わな い。 - D は捨て札のカード群。 - T は小アルカナの山で、これは引きやすいように置けば良い。 また、上卦のそれぞれの爻にはコインのカード群が置かれ、下卦のそれぞれの 爻にはカップのカード群が置かれることになる。 小アルカナの山以外のカード群はすべて表向き、捨て札以外のカード群は計算 しやすいよう数値がわかるようにずらして重ね並べる。 4. プレイの 1 ターン 爻を 1→2→3→4→5→6→1 と行くのを順方向、6→5→4→3→2→1→6 と行く のを逆方向と呼ぶ。 横方向(順方向か逆方向)に並び合う爻を比爻と呼び、縦に並び合う爻(1 と 4、 2 と 5、3 と 6)を応爻と呼ぶ。 小アルカナのカードを一枚引く。これが大アルカナであれば、終了なのは上記 の通り。そうでなければカードのスートをまず見る。 大ざっぱに言うと、トークンが上卦(4,5,6)にあるとき、スートがカップなら 左(順方向)に、ソードなら右(逆方向)に、ワンドなら下(応爻)に行き、コイン ならその位置に留まる。トークンが下卦(1,2,3)にあるとき、スートがコイン なら左(順方向)に、ワンドなら右(逆方向)に、ソードなら上(応爻)に行き、カッ プならその位置に留まる。 さて、ここまでは元祖とまったく同じであった。ここからが略式である。 ソードとワンドのスートを M Suit、コインとカップのスートを F Suit と呼 ぶことにする (M は Male, F は Female の頭文字)。引いたスートが F Suit である場合は問答無用で必要な行動をとる。M Suit の場合は、後述の共通の 判定式で判定して動くかどうかが決まる。 {{大アルカナの数表(×2)}}について、使う数値は、正位置の場合ソードの 攻とコインの苦(それぞれ左の数値)を使い、それぞれを M Major と F Major と呼ぶ。逆位置の場合、ソードの守とコインの喜(それぞれ右の数値)を使い、 それぞれを M Major と F Major と呼ぶ。(ちなみに The JRF Tarot の場合は それぞれ 2 倍した数値を使う。面倒くさければすべて正位置にしてもかまわ ない。) 大アルカナの爻のところに、カップかコインのカードが普通はたまっているは ずで、その最大値を、F Minor と呼ぶ。もし、カードがたまっておらず 1 枚 もなければ、F Minior はその大アルカナの F Major を表すとする。 引いたスートが M Suit の場合、それに基づき判定をしなければならない。引 いたスートを M Minor とする。判定で可能な場合の行き先を To、引いた場所 を From とすると、判定式は常に次のようになる。 M Minor From + F Minor From > M Major To + F Minor To つまり M と F を足したものを From と To で 比較するのである。そして使 える場合は Minor の最大の数値を使うということだ(まったく使えない場合の み Major の数値を使う)。 この式が大なりの場合 From の勝ちで、F Minor From と M Minor は捨ててトー クンは行き先に移動する。逆に、To が勝った場合、F Minor To と M Minor は捨ててトークンはその場に留まる。(つまり、勝った側の F Minor は捨て る。) なお、勝った側に F Minor が一枚もなく F Major で判定したときは、 捨てようがないので捨てず、M Minor のみ捨てる。 ただし、元祖易双六から継いだ特別ルールとして、下卦でソードを引いて From が勝ったときは、留まる(勝っても移動しない)ことも選択でき、その場合は、 F Minor をどれも捨てないこととする。(M Minor は普通に捨てる。) まとめれば次のようになる。 * トークンが上卦(4,5,6)にあるとき - スートがカップ 引いたカップを下(応爻)のカード群に加え、左(順方向)に移動する。 - スートがソード 判定式で右(逆方向)に行くかを判定する。 - スートがワンド 判定式で下(応爻)に行くかを判定する。 - スートがコイン 引いたコインをその爻のカード群に加える。トークンは動かない。 * トークンが下卦(1,2,3)にあるとき - スートがコイン 引いたコインを下(応爻)のカード群に加え、左(順方向)に移動する。 - スートがワンド 判定式で右(逆方向)に行くかを判定する。 - スートがソード 判定式で上(応爻)に行くかを判定する。行ける場合は留まる(パスする) こともできる。 - スートがカップ 引いたカップをその爻のカード群に加える。トークンは動かない。 (なお、判定式は > で書いたが、先に決めて常に使うなら >= を使っても よい。そのほうが動きがダイナミックになる。) ** 大アルカナの数表 A1. 正位置 Sw 攻/守 Co 苦/喜 Cu 上流/下流 Wa 上流/下流 (0)愚者(使わない) Sw 0/5 Co 5/5 Cu 5/5 Wa 3/5 (1)魔術師 Sw 3/3 Co 5/7 Cu 0/3 Wa 7/5 (2)女教皇 Sw 0/5 Co 7/3 Cu 7/5 Wa 3/3 (3)女帝 Sw 3/3 Co 0/3 Cu 7/5 Wa 5/7 (4)皇帝 Sw 3/3 Co 0/3 Cu 5/7 Wa 7/5 (5)法王 Sw 5/0 Co 7/3 Cu 3/3 Wa 7/5 (6)恋人 Sw 3/3 Co 5/3 Cu 5/7 Wa 7/0 (7)戦車 Sw 7/7 Co 3/3 Cu 0/3 Wa 5/5 (8)力 Sw 5/5 Co 0/3 Cu 7/7 Wa 3/3 (9)隠者 Sw 0/7 Co 7/3 Cu 3/3 Wa 5/5 (10)運命の輪 Sw 5/5 Co 5/5 Cu 5/5 Wa 3/0 (11)正義 Sw 5/5 Co 5/5 Cu 0/3 Wa 5/5 (12)吊るされた男 Sw 3/5 Co 3/7 Cu 3/5 Wa 0/7 (13)死神(使わない) Sw 5/0 Co 5/5 Cu 5/3 Wa 5/5 (14)節制 Sw 5/5 Co 7/3 Cu 3/7 Wa 0/3 (15)悪魔 Sw 5/3 Co 3/7 Cu 5/0 Wa 3/7 (16)塔 Sw 5/7 Co 5/3 Cu 7/0 Wa 3/3 (17)星 Sw 5/3 Co 5/7 Cu 3/3 Wa 7/0 (18)月 Sw 3/7 Co 0/7 Cu 5/5 Wa 3/3 (19)太陽 Sw 7/3 Co 0/7 Cu 3/3 Wa 5/5 (20)審判 Sw 5/0 Co 7/3 Cu 3/5 Wa 3/7 (21)世界 Sw 0/5 Co 3/7 Cu 7/3 Wa 3/5 A2. 逆位置 正位置の数表から簡単にわかる。 (0)愚者(逆)(使わない) Sw 5/0 Co 5/5 Cu 5/5 Wa 5/3 (1)魔術師(逆) Sw 3/3 Co 7/5 Cu 3/0 Wa 5/7 (2)女教皇(逆) Sw 5/0 Co 3/7 Cu 5/7 Wa 3/3 (3)女帝(逆) Sw 3/3 Co 3/0 Cu 5/7 Wa 7/5 (4)皇帝(逆) Sw 3/3 Co 3/0 Cu 7/5 Wa 5/7 (5)法王(逆) Sw 0/5 Co 3/7 Cu 3/3 Wa 5/7 (6)恋人(逆) Sw 3/3 Co 3/5 Cu 7/5 Wa 0/7 (7)戦車(逆) Sw 7/7 Co 3/3 Cu 3/0 Wa 5/5 (8)力(逆) Sw 5/5 Co 3/0 Cu 7/7 Wa 3/3 (9)隠者(逆) Sw 7/0 Co 3/7 Cu 3/3 Wa 5/5 (10)運命の輪(逆) Sw 5/5 Co 5/5 Cu 5/5 Wa 0/3 (11)正義(逆) Sw 5/5 Co 5/5 Cu 3/0 Wa 5/5 (12)吊るされた男(逆) Sw 5/3 Co 7/3 Cu 5/3 Wa 7/0 (13)死神(使わない)(逆) Sw 0/5 Co 5/5 Cu 3/5 Wa 5/5 (14)節制(逆) Sw 5/5 Co 3/7 Cu 7/3 Wa 3/0 (15)悪魔(逆) Sw 3/5 Co 7/3 Cu 0/5 Wa 7/3 (16)塔(逆) Sw 7/5 Co 3/5 Cu 0/7 Wa 3/3 (17)星(逆) Sw 3/5 Co 7/5 Cu 3/3 Wa 0/7 (18)月(逆) Sw 7/3 Co 7/0 Cu 5/5 Wa 3/3 (19)太陽(逆) Sw 3/7 Co 7/0 Cu 3/3 Wa 5/5 (20)審判(逆) Sw 0/5 Co 3/7 Cu 5/3 Wa 7/3 (21)世界(逆) Sw 5/0 Co 7/3 Cu 3/7 Wa 5/3 (This file was written in Japanese/UTF8.)